【ロングインタビュー】岡田武史(FC今治)『心が伝わるスタジアム、クラブ、街に』 - サッカー魂
【ロングインタビュー】岡田武史(FC今治)『心が伝わるスタジアム、クラブ、街に』
【ロングインタビュー】岡田武史(FC今治)『心が伝わるスタジアム、クラブ、街に』 10/18(水) 17:00配信 FC今治の岡田武史オーナー [写真]=垂水謙庄 2014年11月、日本代表監督として2度のワールドカップを戦った岡田武史氏がFC今治のオーナーとなった。そこからまもなく3年が経過するが、今年からJFLを戦うチームはJ3昇格へ向けてシーズン佳境を迎えている。
そのJ3昇格のため、条件となっていた5000人以上を収容するホームスタジアムが9月に完成。『サッカーキング』では、岡田オーナーに新スタジアムの魅力やここまでの歩みをはじめ、FC今治の次の一歩、岡田オーナー自身の夢についても聞いた。
インタビュー=小松春生
写真=垂水謙庄、編集部 ■新スタジアム完成は通過点―――新スタジアムこけら落としの前日、お忙しいところにお時間をいただきました。準備も大詰めですね。(※2017年9月9日取材)
岡田武史(以下、岡田) もう大騒動で。問題山積みで、ここからやることが山ほどあります。初めての経験だし、いろいろなトラブルも起きるでしょう。そのときに、どういう対応をするか、どういうアナウンスをするか、マニュアルも僕が言っていて。トラブルがないように、何とかしたいと思っています。
―――待望の新スタジアム完成ということで、喜びもひとしおでしょうか?
岡田 そういった考えはあまりなくて。「あれ、まずいのかな」と思っているくらいで(笑)。まずはスタートということと、まだまだこんなところで満足はしていないので、通過点という感覚ですかね。
―――これからさらに新しいことをするため、一つのハードができたということですね。
岡田 そうですね。すでに1万5000人収容のスタジアム建設が動き出しているので、ここで喜びに浸っている余裕がないというのが正直な感覚です。もし今年J3に上がったら、J2ライセンスの申請をするためにスタジアムは必要だけど、全然間に合わない。そこをどうするのか、という話にもなる。感慨に浸っている余裕は全くないです。
―――今季はJFL昇格初年度です。ここまでの戦いはいかがですか?
岡田 もう少し上を狙える力はあるかも。でも、まだまだいろいろな問題点もあります。我々は“岡田メソッド”というものを実践してきました。本来、“岡田メソッド”は16歳までに落とし込むものだけど、トップチームでもテストしないといけません。ただ、「こういうやり方をやる」となると、それにずっと引っ張られてしまう。本来は勝つことが目的なのに、方法論が目的になってしまうんです。16歳までにメソッドを落とし込めば、それ以降の年齢では自由にすれば、方法論が目的にならないと思ってやっているので。そういう意味では、メソッドや方法論に引っ張られすぎているかもしれない。サッカーというものは、もっと「シンプルだ」ということに立ち返らないと。
でも僕自身、そんな簡単なものではないと思っていたし、2年ごとの計画をしていたので。できれば1年で昇格したいですけど、それがダメでもしょうがない部分もあって。今、FC今治の規模は個人事業主的なものから企業に変わろうとしています。従業員も50人、60人になってきて、もう自分一人ではとてもじゃないけど、もたなくなってきました。トップチームは完全に任せて、補強や指導者もたくさんいれました。僕は新スタジアムやピッチ外のことに専念している状況です。あまり現場のことには口出ししてないんです。
―――昨季はベンチ入りするなどしていましたが、それはどうしても昇格しないといけない側面もあったからでしょうか。
岡田 そう。そこが一番大変で。どんなことがあってもJFLに上げようと思ったから、口も出したし、練習もやったんですけど、ここはちょっとね。降格は困るけど、もう少し任せてみようと思っています。
―――チームとしての自力をつけるチャンスですね。
岡田 そうです。そう思います。 次ページは:■“小さなワクワク”を散りばめて、「面白いこと」を感じてほしい 前へ1234次へ 1/5ページ
<画像検索>
1.ニュース一覧へ
0.サッカー魂TOP
Copyright(C) サッカー魂 soccer-soul.net 2012 All Rights Reserved