アントラーズ、よもやのV逸。「王者のメンタリティ」が最後に仇となる - サッカー魂

アントラーズ、よもやのV逸。「王者のメンタリティ」が最後に仇となる

アントラーズ、よもやのV逸。「王者のメンタリティ」が最後に仇となる 2017/12/3(日) 17:30配信 webスポルティーバ アントラーズ、よもやのV逸。「王者のメンタリティ」が最後に仇となる しょう然とした表情でピッチを去る金崎夢生ら鹿島アントラーズの選手たち photo by Fujita Masato  首位鹿島アントラーズの勝ち点は71。追いかける2位川崎フロンターレは69。Jリーグの優勝争いは勝ち点2差で、最終節にもつれ込んだ。

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 川崎の相手は、降格が決まり元気のない大宮アルディージャ。しかもホームでの対戦だ。一方、鹿島の相手はジュビロ磐田。当初、降格候補と目されていたが、リーグ戦中盤から調子を上げ、最終節を前に5位にまで順位を上げてきたチームとのアウェー戦だ。

 優勝の可能性はどちらが高いかと言えば、鹿島ではなく川崎だった。鹿島は追い詰められていた。前節の柏レイソル戦は、7対1という枠内シュートの数が物語るように、内容で大きく上回りながら0−0の引き分け。同様に前節、浦和レッズに圧倒的に押し込まれながら1−0で勝利を拾った川崎とは、まさに対照的な姿を描いていた。お互いの関係は、この最終節を前に事実上逆転していた。

 だが、鹿島はスロースターターだ。前半から積極的に攻め立てることはしない。早々に失点を食らうことを警戒し、王者らしく慎重な姿勢でゲームに入ろうとする。磐田戦も例外ではなかった。それは一方で、後半に強い理由でもあるのだが、絶対に勝たなければならない立場に追い込まれたチームの戦い方と、これは矛盾する。

 攻める磐田。守る鹿島。振り返れば、鹿島、川崎両チームの明暗を分けたポイントは、この関係で推移した前半の戦いにあった。

 等々力で大宮と戦う川崎は、開始わずか1分に先制点を挙げていた。「ピッチの選手には等々力の試合の情報を伝えないで戦わせた」とは、大岩剛鹿島監督の試合後の言葉だが、気配は薄々、ピッチにまで伝わるものだ。0−0でしかも劣勢。この時間が長くなれば、平常心は失われがちだ。

 対する磐田は、ヤマハスタジアムを満員に埋めたファンの声援をバックに、ピッチを幅広く使うダイナミックなサッカーを展開した。中でも効いていたのはアダイウトン。左のウイングの位置に張って構える彼は、いつも空いている状態で、そこにボールが収まると、磐田の攻勢は鮮明になった。右の中村俊輔は若干、中寄りで構えたが、ボールを収める力があるので、その間を利用して右ウイングバック、小川大貴が攻め上がることができる。

 その両サイドの動きに鹿島は振り回された。意図的に慎重に試合を運んだというより、受け身になることを磐田に強いられた格好だ。

 鹿島は逆に、サイドをうまく使えなかった。その傾向がより強かったのは左。左サイドハーフのレアンドロが、多くの時間、真ん中付近で構えたため、左の前方には誰もいない状態に陥った。 前へ123次へ 1/3ページ

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